偽れる盛装 ★★ Itsuwareru seiso (1951)
goo映画解説 本年五月頃より、吉村公三郎監督が独立、新藤兼人の書卸し脚本によって準備を進めていた「肉体の盛装」を、このたび大映との提携によって着手、「偽れる盛装」と改題して世に送るもの。製作担当は、「赤城から来た男」の亀田耕司。演技陣は、「火の鳥(1950)」の京マチ子、「エデンの海(1950)」の藤田泰子、「二十歳前後」の北河内妙子、「東京の門」の村田知英子、「二十歳前後」の小林桂樹に、菅井一郎、進藤英太郎、殿山泰司、河津清三郎などである。
メモ 日本映画専門チャンネル。溝口健二監督作品だと言われても納得する。単に題材が似ているだけか。あるいは俳優が重なっているからか。ドライな藝妓という脚本が似ているのか。
姉妹が違う性格というのは多いパターンだ。二人ともドライという映画は見たことがあるか。全員ドライな一家だと、リアリティはますかもしれないが、現実と似すぎていると面白くない。コメディにはできるだろうが。
進藤英太郎は殿山泰司、菅井一郎の次に京マチ子に狙われるという役。菅井一郎と滝沢修を混同していたのがわかった。殿山泰司は、オープニングとラストに出てくるが、銀座老舗おでん屋のお多幸の長男が、屋台のおでんやになるというのが可笑しかった。

















靜乃家の君蝶は祇園界隈で凄腕をもってならした芸者だった。その妹妙子は、姉とおよそ反対に、京都市の観光課の事務員をしている地味な娘だった。
二人の母きくは、その昔祇園で一流をうたわれた芸者だったが、染色会社の社長渡辺に囲われ、二人の娘を生んでからは、旦那大事と生きて来て、旦那が窮地に陥ったとき長女をその犠牲にして芸者に出し、
旦那の死後、その息子が金の無心を言いに来ると、自分たちの住んでいる家を抵当にしてもその金を工面するというような、古風で義理固い女だった。
その母に強く反発をして、姉の君蝶は、いっそう腕によりをかけ、美術商の笠間を絞れるだけ絞り、次には、速神丸本舗の一番々頭の山下を虜にしていた。
妹の妙子は、やはり祇園で有名な料亭、菊亭の一人息子で同じ観光課に勤めている孝次と恋をしていたが、孝次の母千代は、きくとは昔の朋輩でありながら、家の格式が違うと言って二人の結婚を許さなかった。
妙子の親友で、父が東京の大学の教授をしている雪子は久しぶりで西下して、妙子たちの恋愛を知り、二人して古い環境から抜け出し東京へ逃げて来ることを勧めるが、孝次には、家を出て独立する自信もないのだった。
君蝶から見るとこうした皆が歯がゆくてならなかった。殊に千代が、身分が違うと言って妙子と孝次の結婚を許さなかった高慢さが、我慢ならなかった。
山下をいいかげん絞りあげたところでもあったので、今度は、千代の旦那格の男で、小料理屋をしている伊勢浜へ、君蝶の誘惑の手が伸びた。
千代はじだんだ踏んで口惜しがり、逢引の場へ乗り込んで君蝶を面罵したが、若く美しい君蝶の敵ではなかった。その間に、晴の温習会が始まり、君蝶は伊勢浜のおかげで、美々しい仕度をして出演することが出来た。
一方、速神丸の山下は、金の使い込みがばれて店を追われ、せめて君蝶にでも逢いたいと思ったが、彼女が冷たく彼を寄せつけないのに思い詰め、出刃包丁をのんで彼女の楽屋を訪ね、逃げる君蝶を追って町を走り、ついに彼女を刺してしまった。
一命をとりとめた君蝶は病床に横たわりながら、東京へ行くという孝次と妙子を優しく見送り、自分もこんな世界とは 以下略
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